・台風だ台風だと世間で騒がれているが。
海の向こうではハリケーンに「カトリーナ」とか女性の名前をつけ、
「まったくお転婆なお嬢様だぜHAHAHA」と余裕の姿勢である。
(ほんとはめさめさ被害が出るので笑ってる場合じゃないんです)
しかし、ここで問題なのは、
日本の台風だから日本の女性の名前をつける必要があるという事で、
実際試しに今接近しつつある台風のために名前を2,3個あてがってはみたのだが、
その度に同じ名前をもつ知り合いが思い浮かんでしまい、
申し訳なさと後ろめたさの混淆したむず痒さを覚えてしまうのであった。
冷たい羽で首筋を撫でられるような、快いのか不快なのかよく解らない感覚よ。
彼らは毎年のように、しかも国内中にテレビで連日放送され連呼されて、
何か思うのだろうか。やはり。
「OH・・・カトリーナ・・・君もあのハリケーンのように、今夜も忙しく駆け回っているんだろうね・・・」と、昔の思いに浸ってしまう男は場所も時代も超えてゆく。
すぐに過ぎ去ってゆくもの。
それにつけるのは、無機質な記号がふさわしい。
「4号」では、センチメンタルになるための一分の隙間すら与えられない。
何かに名前をつけるとは、呼ばれる度に思い出したいからだ。思い出させたいからだ。
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