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「 徐々に磨り減り無くなってゆく歯 その2 」
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その1から読む



・前々から、「痛い」と「面倒くさい」は、どんな理性も論理も超えてその人を突き動かす力だと思っていた。
この二つの前では、意思も希望も、超強力電磁石(リニアモーターカーを浮かすような磁石だ)の前に置かれた鉄釘のように、なす術を失って引き寄せられ、ビターン!と衝突するより他無い。
痛みと苦しみを忘れるネペンテス。速く、遠くまで、疲れる事なく移動する鉄の匣。磁力に抗う、人間の力と知のすべて。

しかし、だ。もし親知らずの退化の話が本当ならば、痛覚と大儀とはもしかしたら遺伝子まで変えてしまうかもしれない。
遺伝子を傷つけるという事は、血脈を傷つけるという事である。
自分に起きた変異が脈々と受け継がれる事によって、数千年後には今居るホモ・サピエンスとはまったく違った能力をもった者が生まれるだろう。
そうなったら、誰の手も届かない、茨の繁みの奥の奥へ進むそれらを、人間はただ見つめるしかない。ささくれを舐めながら。

自分が新人類を生み出すきっかけとなってしまう。それは当たり前に起きている事には違いないが、よく考えると生物の系譜に関わる深刻な事で、
そして少し光栄な事でもある。

 

・現在、人類の進化はアフリカのみに起源を持つ、つまり世界中どこにいるヒトでも、祖先を辿るとアフリカに住んでいたヒトに集約される、という説が有力である。
その説を受け入れるとすると、現在いるヒトの祖先は数十人とか、あるいはもっと少数に限定できるだろう。もしかしたらアダムとイブのような二人が特定できるかもしれない。

タイムマシンが実用化されたら、人類の祖先を訪ねて廻りたい。
彼/彼女はどんな顔をするだろうか。自分が数百万年後の人類全ての起源になっていると知ったら。誇りに思うだろうか。責任を感じて、子を成す事を止めてしまうだろうか。

 

・「ドラえもん」という漫画では、2008年にタイムマシンの理論が発明されるとしている。
未来まであと数十分である。進化は刻一刻と進み、機械に満たされた巨大な深海に自らを適応させるため、ヒトは少しずつ形を変えていく。

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