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「 エトランゼ 」
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・この記事はスピッツのアルバム「フェイクファー」のジャケットの女の子への愛と固執を綴るものです。気持ち悪い奴、青い地球の為に消えろ、って詰るといいよ。

 ・仕舞ってあった「フェイクファー」を回したら再生できなくなっていた。CDというものは、外見から内容の全貌が解らないだけに仕舞ってあるものを無性に再生したくなるものだ。時たま。

裏返す。
 CDの読み取り機構を知っている人は多いと思うので詳しく説明はしないが、とにかくあのミクロな溝が台無しになるのに十分なほど蹂躙されていた。 円盤状のものが空しく高速回転する音を追い越して、頭の中では1曲目のメロディが流れ始めたが、電気を消して眠る事にした。2曲目が解らないからだ。

そして昨日の夜遅くに借りてきた。買う気にまではなれなかった。最近どうも疑心暗鬼になっていけない。慎重さ、というより吝嗇が、熱望を手懐けた。

このアルバムはどんな宝石よりも価値がある。曲ももちろん素晴らしいが、ジャケットの女の子が本当に素晴らしい。 熱望を上手く飼いならしたつもりでいるお粗末な慎重さも、今に負けていくに違いない。 フェイクファーのジャケット(こう書くとまるでそんな服があるみたいだが、今はその話はしていない。CDの表紙の写真の話)を知らない人は後学の為に今すぐこのページを閉じて検索するべきだ。そして、全ての絵画や彫刻と同じく、実物を見るのが最もよい。


きっと、彼女について人に尋ねたら、皆が皆可愛いね、と言うだろう、つまり全く奇を衒ったものではない。ここでどうして、この人に対してありふれているとかいないとかいった話を始めるかというと、そうやってただ可愛いから好む、というような愛玩的感情だけを持っているわけでは無い、と言いたいがためである。もっと特異的なものだ。それは錨がどすんというくぐもった音を響かせて静かに沈むように、心の海の奥底に昔から居座り、半年おきくらいにその先端から毒のようなものをちろちろ出しては心を疼かせる。



・そんな妄想を繰り広げるうちにもう5曲目だ。


 「いつも仲良しでいようねって言われて
 でもどこかブルーになってた
 あれは恋だった」
 (『仲良し』)

こんなリアルな言葉がほしい。



・彼女の居るところ。そこに行き着くには、生きていても死んでいてもだめで、初夏の細やかな日差しとか肩までのショートが揺れる横顔の向こうとか、そうした幽かで満ち足りた空間に扉を見出すしかない。
その奥に、いる、写真のように褪せない女の子が、少し首を傾げて微笑む。
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