・「ベティ・ブルー」
「スタンドの連中も驚いていたよ」
「大型車は文明の最後の輝きだ」
「文明の輝きを君に贈るよ」
「バカね」
・ベアトリス・ダールの唇に一目惚れをした。
彼女の唇があんなに捲くれてなくて、フランスではない国で作られた映画だったら、
棚のどこにパッケージが置いてあろうとも気付くことは無かっただろう。
Mr.Childrenの歌に「ミシェル・ファイファーの唇が好き」という歌詞があったのを唐突に思いだす。
ミシェル・ファイファーの唇にはあまり惹かれなかったが、何十年過ぎようとも翳る事を知らないあの美貌にはある種の妖気さえ感じて身震いが出そうになる。
おっとベアトリス・ダールである。彼女演じるベティと、パートナーのゾルグ。
2人の甘い生活は激しく、バカらしく、慈愛に満ち、そして身を切るほどに辛い。
情動と静謐とを縫うようにして色彩は綾を織る。ドレスの赤、海の青さ、乾いた砂と黄色のメルセデス。
どこからこの生活は変わっていったのだろう。
さまざまな色を見せたこの時間に、分かれ道を見付ける事は、恐らく出来ない。
・というわけで、大変良き活動写真ゆえ観てほしい。
3時間で笑い転げたりアンニュイになったりするの映画はなかなかない。はず・・・
シーンそれぞれも色使いがよくて洒落ていると思うのだけど、セックスシーンから始まるのであまり堂々と薦めまくれないのが遺憾だ。
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