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「 一つの夜、一つの朝 」
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・試写会に行ってきた。

試写会、ほのかなセレブレティを感じさせる言葉だ。実際はただ抽選で当たった人々が、平日の夜に集まって映画を観るだけのこと。別に「あなたに、他でもないあなたに来てほしい」と言われた訳ではない。


映画は「主人公は僕だった」。原題は "Stranger Than Fiction" で、響きとしてはこっちの方が好きだ。
話題の映画だから荒筋はどこでも紹介されていると思う。なのでここでは省く。

作中でも言われるように、物語というのには「喜劇」と「悲劇」がある。
自分は「悲劇」に心を震わせられる種類の人間だが、この映画で初めて「心温まる」系の映画で感動してしまった。スタッフクレジットを全て観ていたのは、エンドロールや、その後ろに流れる曲のセンスが秀逸だったから、だけではない。


試写会は大抵、「n組 2n名様ご招待」という形式をとる。応募したことを忘れた頃にポストに腰掛けていた封筒にも、2人分のチケットが入っていた。
そう、想像はつくかもしれないが、迷った挙げ句独りで行く事にした。独りでなければ、地下鉄を乗り継いで会場近くの有楽町駅で降りた事だろう。態々東京駅で降りて(学校から行ったので乗り換え無し)、上映ギリギリに会場に滑り込み、非常灯の近くしか席が空いていない事に少しがっかりする、なんて酔狂な事はしないだろう。
しかし、観終わった後は独りでいいと思えた。こんないい映画、人にタダで観せるのは惜しい。19日から公開なのでぜひ観てください。お金を払って。


・帰り道、東京国際フォーラムを抜けて歩くとき、

「東京の夜はいいね。きれいだね。」
「そうだね。」


と、会話を交わす50代(推定)の夫婦(これまた推定)を見た。
30年。多くの観客が外へと出て行く、十数分間のエンドロールよりも遥かに長い。
30年も経てば街並みも変わってゆく。自分の姿ももっと変わってゆくだろう。緩やかに。その大河の勾配のような変化を「日常」と人は呼ぶ。


「日常のささいな事にも、崇高な意味があるのだ」
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